著者対談(1)『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』(ナツメ社)

April 27, 2019

2019年3月に『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』(ナツメ社)が出版されました。同書の出版を記念し、共著者の釘崎清秀氏(株式会社パフ 代表取締役社長)と伊達洋駆氏(株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役)による対談を行いました。これから複数回にわたって、対談の様子をお届けします。

 

 

 

著者の紹介と接点

 

伊達 『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』という本を、どんな人が書いているか説明しておきましょう。まずは、第一著者の釘崎さんから自己紹介をお願いします。

 

釘崎 普段は、株式会社パフという採用のコンサルティング会社の経営者をしています。採用の中でも特に新卒採用に特化していて、昨年の12月で丸21年、今22年目を迎えた会社です。

 

伊達 私は株式会社ビジネスリサーチラボを経営しています。HR領域においてリサーチや組織診断等を提供している会社です。採用に関連したところですと、神戸大学大学院の服部泰宏先生と一緒に採用学研究所(採用に関する調査研究を進める機関)を設立し運営しています。それから、釘崎さんと一緒に一般社団法人日本採用力検定協会(採用に関わる人に検定等を提供する協会)の理事も務めています。そんな私たちが書いているのが『採用の絶対ルール』ですね。

 

釘崎 2人の接点を説明しておきましょうか。今から5年前? 2015年ぐらい?

 

伊達 2014年だったかもしれません。2013年に採用学研究所を設立し、その翌年にはお会いしていたかと思います。

 

釘崎 「弊社が進めるインターンシッププログラム(100×10チャレンジ)の効果検証を、採用学の見地からお願いできないか」という相談でお会いしました。それから頻繁に様々な議論をすることになりましたね。例えば適性検査(Growth Believer)の共同開発をしたり、日本採用力検定協会の立ち上げを一緒に行ったり。

 

 

採用力の定義から書籍へ

 

釘崎 日本採用力検定協会の立ち上げが2017年の7月。その半年ほど前から2人で準備を始めたんですよね。

 

伊達 はい。日本採用力検定協会を立ち上げるために、「採用力とは何か」を議論したわけですが、今振り返ると、そのプロセスは『採用の絶対ルール』に結びついています。実際、採用力の定義を模索する中でのメモを、今回の本のコンテンツに部分的に反映しています。

 

釘崎 『採用の絶対ルール』の巻末にも、採用力の17要素(日本採用力検定協会の定義において採用力は17の要素から構成されている)が書かれていますし。

 

伊達 「この本の内容を読んで実践すれば、採用力の要素のうち、特に6つの要素を高められますよ」ということが、本の中でも書かれています。

「採用の語彙」(採用に関する言葉を豊富に持っていること)、

「労働市場の動向」(求職者の心理を理解していること)、

「見極める」(自社の選考を受けに来た人を適切に評価・選抜すること)、

「惹きつける」(自社の選考を受けに来た人の志望度が上がるように働きかけること)、

「企業最適」(自社にとって望ましい採用を考えること)、

「社会最適」(社会全体にとって望ましい採用を考えること)。この6つです。

 

 

イラストや図が満載

 

釘崎 それにしても、編集者の方がとても読みやすくまとめてくれましたよね。

 

伊達 最初の原稿と最終的な書籍を比べると、ほとんど別物と言っていいかもしれません。

 

釘崎 分かりやすいですよね。

 

伊達 もともと実用書を書いたことがなかったので、どの程度の難易度や具体性で書けば良いか分かりませんでした。その意味では、自分たちで書いては編集者の方にコメントをいただき、その繰り返しの中でチューニングしていった感じですね。最終的に読みやすいものになって良かったです。

 

釘崎 書き終えるのに1年かかったわけですが、1年かかっただけのことはありますよね。

 

伊達 ええ。また、『採用の絶対ルール』には魅力的なイラストが沢山含まれています。節の冒頭に書かれたイラストが、その節のエッセンスを的確に表していますよね。プロの仕事だと思いました。

 

 イラストの一例

 

釘崎 大したもんですよね。

 

伊達 文字だけが羅列されていたら印象が全然違うでしょうから。

 

 

パフイズムとエビデンスの照合

 

釘崎 遡ると最初に出版社(ナツメ社)から打診があったのが2017年の年末ですね。その時、私は断ろうとしたんです。書くのがしんどいから。でも、せっかく声をかけてくれているんだから、このまま断るのもあれだなと躊躇しているときに、伊達さんの顔が浮かんだんです。

 

伊達 それで、築地でお鮨を食べているときに・・・

 

釘崎 私が「書きませんか」って聞いたら、即決で「書きましょう」と返事をくれたんですよね。あのときは「執筆できそうだな」という感覚はありました? 

 

伊達 ここまで大変だとは想像していなかった、というのは正直ありますが(笑)、一方で、実は「書ける」と思う根拠がありました。パフさんとは様々なプロジェクトをご一緒してきました。そのプロセスを通じて、「パフイズム」とでも言えるものが自分なりに理解できてきた感覚があったんです。

 

 

釘崎 嬉しいことです。

 

伊達 私自身、パフイズムには大いに賛同していましたし、更に、学術研究や調査結果といったエビデンスと整合する部分も多かった。「パフイズムとエビデンスを照合すれば、骨太な本が出来上がるのでは」と感じました。

 

 

企業側と求職者側を調停する

 

釘崎 今までの「採用本」(採用ノウハウについて書かれた書籍)って「採用者」の視点、つまり、採用者が如何に上手くいくかという視点で書かれているものが多いと感じます。「求職者はどこへ行ったのか」と、かねてから違和感がありました。

 

伊達 如何に効率的・効果的に優秀な人材を獲得するのか。それは大事なことではありますが、求職者の顔が見えにくい。他方で面白いなと思うのは、「就活本」(就活ノウハウについて書かれた書籍)がその対を為している点です。就活本においては、如何に効率的・効果的に振る舞って内定を獲得するのか、が書かれています。

 

釘崎 その通りですね。

 

 

 

伊達 誤解を恐れずに単純化すれば、採用本は人材獲得、就活本は内定獲得について書かれてきたわけですが、『採用の絶対ルール』では、これらを調停したいと考えていました。要するに、採用者の目的も求職者の目的も達成できる採用のあり方を、具体的な方法まで落とし込んで提示したかった。そういう観点を持った本は、採用本の中では珍しいと思います。

 

釘崎 そういう意味では、付録に含めた採用力の定義において何より大事なのは「社会最適」なんでしょうね。

 

伊達 はい、関係者みんなにとって良い採用ができないと、長続きしません。

 

釘崎 その意味で『採用の絶対ルール』は、就職活動を行う学生の皆さんが読むと、案外ためになる気がします。実際、Amazonで予約を受け付けているときに、就活本のカテゴリーで上位だったんですよね。

 

伊達 学生も『採用の絶対ルール』を読めば、採用を真摯に実行している会社が分かりますよね。

 

釘崎 例えば、この本ではダメ面接の例を挙げていますが、自分が受けている会社がそんなことをしていないかを観察できます。

 

 

疑うべき常識とエントリーシートという例

 

伊達 『採用の絶対ルール』では、目次を分かりやすく作ってくれていますよね。「疑うべき常識」と「新しい常識」で異なる記号が付いていて、一目瞭然です。疑うべき常識の方には「?」が付いていますが、そこで書かれていることを実施していないかどうか。目次だけでも、言ってみればチェックリストのように使えます。

 

釘崎 ですよね。思い切ってエントリーシートを廃止しようとか。普通、採用の本では書かないようなことも書いています。

 

伊達 一例としてエントリーシートについて掘り下げると、求職者がエントリーシートを書くために多くの時間を投じていますよね。エントリーシートは対策本も出ているので、同じような記述も多い。書く求職者にも読む企業にも負荷があり、それが余計な社会的コストを生み出しています。『採用の絶対ルール』では、エントリーシートの限界を指摘した上で、「もっと良質な施策に努力を注ぎましょう」という提案をしています。

 

釘崎 この本を読んだ会社が「うちの採用に本当にエントリーシートは必要だろうか」と問い直してくれると嬉しいですね。

 

 

(「著者対談(2)」へ続く)
 

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